I believe 9

大切なものは気づきにくい

日常のなんでもない時に、ふとした気づきを得たりします。そんな大げさでもなく、取るに足らない出来事でも深い意味が隠れていたり何かと繋がったりする不思議。今回はそのことについて書いてみようと思う。

先日2日間ほど仕事の予定が入っていなかったので久しぶりにカレーライスを作りました。セラピーを自宅で受けている関係もあり、匂いが残る料理は普段は避けるようにしています。もちろん簡単に消すことは可能だけど、翌日に予約が入っているとわかっている場合にあえてやろうとは思いませんよね? そんな訳で数ヶ月ぶりにカレーを作る気持ちになりました。

ちょうどこの日は郵便局や銀行などの雑事も済ませ、ママチャリを購入しようと自転車屋さんに行くも目当てのモノがなく、結局1時間歩き続けたついでにスーパーに立ち寄り、両手いっぱいの買い物袋を持ってへとへとになって帰ってきたのでした。

たぶん猛烈にお腹がすいていたんだと思う。プラス久しぶりの手作りカレーです♪ そんなに特別上手にできた訳でもないけど食べた瞬間、めちゃめちゃ感動しました(笑) ホントわたしって天才かも?と思うくらい美味しいカレーだったのです。

もう一皿食べたい・・・と思う気持ちを抑え腹八分で食事を終えました。誰でもそうかもしれないけどカレーライスは際限なく食べられそうな気がして危険なのです。せっかくダイエットも順調に進み、ここ数日は理想体重のゾーンに突入し始めたばかりです。油断して元に戻ってしまっては台無しです。ここ一番の我慢が大切と肝に銘じていました。

しかしカレーの香りの誘惑は恐ろしい(笑) 数時間が経つと少しだけなら?と気になって仕方がありません。運悪く普段より早めの夕飯だったので「お腹はすいてないけど食べたい」誘惑に負けてしまいました。もちろんお腹はすいていないので量は少しです。

・・・ここまでだと単なるリバウンド物語で終わりそうです(笑) でも、何かが違っていました! なんと、ほんの数時間で別物に変わってしまったみたいに美味しくなかったのです。

アレレ?と思いながらも「そんなはずはない」と納得がいきませんでした。決してまずい訳でもない。ただ最初に食べた時の感動や喜びが全然なかったのです。翌朝も凝りもせず残りのカレーを食べました。やはり2回目と同じ感覚です。普通においしいレベル。これは、お腹がすいているとかいないとかの違いではないような気がしてきました。

たぶん美味しかったのは味だけでなく、久しぶりだという思いと疲れ果てた末の料理だったからだと思いました。初回で満足したので次からは同じ満足は得られないということだけかも。なにしろ体験自体は初回と2回目以降では全く別物になっているからね。

2回目以降は満足した後の体験になるから有難みが薄れてしまっています。それだけ初めての体験は特別なのだと思う。2回目以降は初回の基準値が目安になるから喜びは少ないのです。

そうか・・・と改めて関連して色々なことを考え始めました。

実はここ数日間続けて夫婦間の悩みを訴えるクライアントさんと多く接する機会があったのです。悩み・・・というか不満ですね(笑) 出会った頃の新鮮味を忘れ不平不満で毎日が我慢の日々。できれば別れたいという悩みです。

もちろん別れてめでたしめでたしかというとそうでもありません。本当に別れたいのであればセラピーなんて受けに来ないです。弁護士に離婚調停してもらった方が確実ですもの(笑) なので当然そのつもりで話をうかがわないといけません。

本人の訴えに隠された真実を引き出すことが大切になります。もちろん色々と思いもかけない結果が出てきたり、ホントに興味深く、やはり必要に応じていらしたのだと後でわかることが多いです。

夫婦であったり家族でいるということは様々な要因や意味を含んでいるのです。単に偶然に一緒になる訳はありません。それぞれの学びの為に同じ空間を共有することを同意しているのです。そのことを軽く見て乱暴に扱っては何も得ることも与えることも難しくなってしまう。本当の意味で幸せな人生を歩むとはどういうことなのか?を理解する機会なのです。

まあ、それはさておきカレーとの続き(笑)

自分が望んでいたのは「最初に食べたあの感動をまた味わいたい」ということです。だから2回目も3回目も期待して裏切られたように感じたのです。

でも、別の視点で見てみれば「滅多に得られないから余計感動したのではないか?」ということです。美味しいものも続けて食べれば飽きます。美人も3日見れば飽きると言いますしね(笑) 確かに毎日フルコースやステーキばかりは絶対嫌です。たまに食べるから美味しいのです。

そう言えばスペイン旅行をした時のホテルでも同じような経験をしました。バイキングメニューでしたから多少は変化があったとしても朝晩同じような料理が並んでいました。初日に食べた時は感動して「毎日こんなに美味しいものを食べ放題だなんて、なんて幸せなんだろう♪」と友人と話していました。でも数日過ぎた辺りから「またこれか・・・」と思うようになっていました。

つまり、どんなに美味しいものでも、どんなに素晴らしい人でも、飽きてしまえば有難みがなくなって不満に思うということです。そして失って初めて価値を思い出すのかもしれません。離れてみれば懐かしく思ったり感謝できたりできます。でも、場合によっては手遅れになり二度と手に入らないこともある、ということです。それでもいいのかどうか・・・だよね。 

<おまけ>

「大切なことは目に見えない」と星の王子さまは言っています。サン・テグジュペリの有名な物語の一場面で、王子さまは自分の星に咲いた薔薇の花とケンカをして星から出て行くことに決めました。様々な星を周り旅を続けながら一番大切なものは何かに気づき始めていきます。そして命を懸けて自分の星へ戻ろうとするのです。ただ大切な友達に謝りたいために・・・

ちなみにサン・テグジュペリは同じ誕生日なので特別に感じています(笑)

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